研究課題
提案するコンセプトを実現するために ①刺入型マルチモーダルセンサの設計と試作,②マルチイオンイメージング技術の確立,③センサチップに集積可能な薄膜参照電極の開発 これら3つの技術課題を設定し,それぞれ以下のように取り組んだ。①刺入型マルチモーダルセンサについては,前年度試作した電気伝導度センサの特性評価をすすめ,電気伝導度変化の2次元分布が計測可能であること,またそれがpH計測ど同時に可能であることを確かめた。この測定原理に基づきトマト茎に刺入した実証実験を行い,pHと電気伝導度変化が同時に捉えられることを確認した。またこれらの結果から,茎の内部構造が推定できる可能性が見出され,その検証を進めた。②マルチイオンイメージング技術については,複数のイオン感応膜をパターニングしたセンサを作製し,トマト茎に刺入して実証実験を行った。2種類のイオンが連続モニタリングかのうであることを確かめた。③薄膜参照電極については,薄膜電極を参照電極として使用した場合のセンサ特性を評価した。短期特性では良好な特性が得られたが,経時変化がおおきく長期計測時に問題になると予想された。そこで薄膜電極上にペースト電極を追加形成して耐久性を向上させた参照電極を作製した。
2: おおむね順調に進展している
当初掲げた研究計画通りに研究が進捗しており,次年度以降のセンサシステム開発に繋がる成果が得られている。
センサシステムに必要な個々の基礎技術開発は順調に進んでおり,次年度はこれらを統合してプロトタイプを作製し,植物の長期計測実験を実施する。栽培環境を人工的に制御可能な構成とし,栽培環境とセンサ計測結果の因果関係を検証する。また,マルチモーダル化をすすめるため,イオン以外の計測について検討し,基礎検証を行う。
すべて 2022
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
Sensors
巻: 22 ページ: 6669~6669
10.3390/s22176669