研究課題/領域番号 |
21H01410
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
岩城 一郎 日本大学, 工学部, 教授 (20282113)
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研究分担者 |
福山 敬 鳥取大学, 工学研究科, 教授 (30273882)
岩波 光保 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 教授 (90359232)
前島 拓 日本大学, 工学部, 助教 (20845630)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 橋 / セルフメンテナンス / 市民協働 / 建設マネジメント / 社会科学 / 現代版普請 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,研究代表者らがこれまで進めてきた取り組みの効果を工学的に検証すると共に,社会科学的手法に基づき定量評価し,さらには建設マネジメントの視点から,システムとして各地に展開するための方法論を構築することである.そのため,①日本古来の「普請」を現代版に改良し,官学産民の連携によりメンテナンスする仕組みの有用性を学術的に立証すること,②その効果について,経済理論をはじめとする社会科学的手法に基づき定量評価すること,③こうした取り組みを建設マネジメントの視点から持続可能なシステムとして成立させることにより,官学産民一体となって,地方インフラのメンテナンスを実践するための方法論を見出し,各地に展開することを目指す.以下に2021年度の研究実績を示す. 福島県平田村をフィールドに市民参加型橋梁メンテナンスシステムについて調査・分析を行うとともに,本取組みを持続可能なものとし,各地へ水平展開を図るために,法的観点も踏まえた市民の安全意識向上のためのシステムを構築し,論文に投稿するとともにHPに公開した.さらに,全国各地において市民参加型橋梁メンテナンスシステムや,本システムを下支えする小中高生に対する土木教育プログラムに関する講演を多数実施した(岩城・浅野・前島). 市民が負うべきリスクを極力小さくしながらも適正なレベルで公物管理が行えるような制度設計の枠組みの検討をインフラマネジメントの観点で行った.その結果,インフラメンテナンスにおけるリスクや瑕疵の責任や対応方策に関する知見を得た(岩波). 本取り組みの社会経済効果を明らかにする手法を開発するとともにその計測を試みた. 本研究が提案する社会インフラ点検維持の参加型事業システムは,参加者間の「絆」や「信頼」で動く持続可能な新たなシステムの構築を目指した検討を行った(福山).
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍において,対面での活動がほぼ抑制されたことにより,役場職員や住民との対話,あるいはアンケート調査の実施ができなかったため,当初の計画通りに進展しているとは言えないが,その分,市民協働による橋のセルフメンテナンスモデルに対し,法的観点も踏まえた市民の安全意識向上のためのシステムを構築するなどに当て,成果を論文等に発表することもできたことからおおむね順調に進展していると言える.
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今後の研究の推進方策 |
まずは以下の研究計画に従い,2022年度の研究を推進する予定である. 前年度に引き続き,福島県平田村をフィールドに市民参加型橋梁メンテナンスシステムについて詳細に調査・分析を行い,有用性を明確に示す.本取組みを持続可能なものとし,各地へ水平展開を図るために過年度に構築した,法的観点も踏まえた市民の安全意識向上のためのシステムに対する効果検証,課題抽出を実施し,より持続可能かつ水平展開を図ることができるモデルの構築を行う.さらに,若い世代にも本取組みに積極的に参加できるようなアプリケーションの開発も実施する(岩城・浅野・前島). 前年度に引き続き,市民が負うべきリスクを極力小さくしながらも適正なレベルで公物管理が行えるような制度設計の枠組みの検討をインフラマネジメントの観点で行う.過年度に得られたインフラメンテナンスにおけるリスクや瑕疵の責任や対応方策に関する知見を踏まえて,市民参加型のインフラメンテナンスに適した契約方式を検討するとともに,リスク回避のための調達制度や保険制度に関する検討を行う(岩波). 前年度に引き続いて,本取り組みの社会経済効果を明らかにする手法を開発するとともにその計測を試みる. 本研究が提案する社会インフラ点検維持の参加型事業システムは,参加者間の「絆」や「信頼」で動く持続可能な新たなシステムを目指しており,この参加者の「内」に生まれる変化を,参加者の参加の程度,選好および行動に関するアンケート調査等を通じて計測を試みる(福山). これらに加え,新型コロナウィルス感染拡大の状況にもよるが,可能であれば今年度の夏から秋にかけて,研究者全員で福島県平田村に集まり,橋のセルフメンテナンスの実状を視察するとともに,村長および役場職員,地元住民と意見交換を行うとともにアンケートを実施し,本活動に対し様々な視点から効果の検証を行う(全員).
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