| 研究課題/領域番号 |
21H01421
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| 研究機関 | 北海道大学 |
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研究代表者 |
渡部 要一 北海道大学, 公共政策学連携研究部, 教授 (00371758)
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| 研究分担者 |
佐々 真志 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 港湾空港技術研究所, グループ長 (10392979)
椋木 俊文 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 教授 (30423651)
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| 研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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| キーワード | 火山灰質砂 / 細粒分 / 締固め / 内部侵食 / 液状化 |
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| 研究実績の概要 |
非塑性細粒分がせん断特性や締固め特性に与える影響について調べるために，細粒分45%の火山灰質砂（札幌市清田区里塚地区から採取した盛土材料）を基本として，細粒分を取り除いて15%にした試料，細粒分を加えて70%にした試料について，締固め条件を最適含水比とその前後の含水比，締固め度100%～90%で三軸試験用の供試体を作製し，骨格構造の変化と，それに起因したせん断特性の変化について調べた．
得られた結果は以下の通りである．①最適含水比で最大乾燥密度付近にまで密に締め固められた場合，細粒分の増加はせん断強さを減少させる．②細粒分45%の試料および細粒分70%の試料を締固め度約90%にまで締め固めた供試体は，締固め時の含水比が最適含水比よりも湿潤側の条件で著しいダイレーション傾向を示したが， 最適含水比及び最適含水比よりも5%程度乾燥側の条件では比較的穏やかなダイレーション傾向を示した．③細粒分15%の試料はせん断抵抗角が41°～54°と大きいが，細粒分が45%や70%の試料のせん断抵抗角はいずれも約41°で同程度となり，粗粒分粒子は，細粒分粒子よりもアンギュラリティが高いことが示唆された．
上述の試験は，事前に細粒分含有率が設定された状態の供試体を対象としたものであるが，これらに加えて細粒分45%の試料については，内部侵食試験を実施し，供試体作製後に細粒分の一部が抜け出したときの透水係数の変化やせん断特性の変化についても調べた．
得られ結果は以下の通りである．①締固め度とせん断強さに強い正の相関性があること，②せん断強さは締固め飽和度に影響を受けるがその度合いは一般的な砂質土と比べて不明瞭であること，③締固め飽和度や締固め度が低いほど締め固めた試料の侵食性は高いこと，④侵食を受けた試料は緩詰め条件の場合はせん断強さの増加，密詰め条件の場合は減少を示すことがわかった．
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウイルス感染症拡大により試験装置の製作などに遅れがあったが，細粒分を調整した試料を用いて，締固め試験や三軸せん断試験，さらには内部侵食試験などを実施して着実に成果を上げており，おおむね順調であると判断している．
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| 今後の研究の推進方策 |
締固め度が高い密詰めな供試体では，締固め条件のわずかな差異によって著しく異なるせん断挙動が得られるため，供試体の締固め状態を精度よく管理し，得られる試験結果の理解を深める．また，締固め条件と，静的なせん断特性の理解を踏まえて，細粒分の抜け出しといった内部侵食がせん断特性に与える影響，さらには，締固め条件や内部侵食が，液状化特性に与える影響について評価するため，高精度な三軸せん断試験，三軸侵食・せん断試験を実施するとともに，液状化特性の評価のために繰返し非排水三軸試験なども実施する．
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