研究課題/領域番号 |
21H01456
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
紀伊 雅敦 香川大学, 創造工学部, 教授 (20426266)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 国土計画 / 都市経済モデル / 都市雇用圏 / 効用水準 / 地方創生 / 一極集中 |
研究実績の概要 |
経済センサス等よりデータの得られる17業種について,これら生産性と所得を算定し,都市モデルの入力データを作成した.また,都市雇用圏別の社会経済データを整理し,世帯モデルの選好パラメータを推計した.これらは,効用水準のモデル分析を行う上で必須のデータセットであり,居住水準の状況を把握する上で不可欠である.さらに,一部のデータについては,ミクロ統計データより取得しており,集計済みのデータと比較して,より研究目的に即した区分のデータとなっている. 併せて,都市居住効用の国際比較のためのデータ・情報収集のためにドイツへの渡航し,フンボルト大学のProf. Nuissel とProf. Schmidtにヒアリングを行った.その結果,ドイツでの詳細な空間統計は一般公開されておらず,必要に応じて行政から入手する必要があること,一部データについてはESPONで公開されていること,また,BBSR(Federal Office for Building and Regional Planning)で関連する調査がされていることなど把握した.また,ドイツにおける地域政策についてもヒアリングし,特に,炭鉱地域が疲弊しており,各種活性化策がなされているものの,人口流出が課題とされている.このように,ドイツにおいても,日本と同様の課題を有する地域が存在している.一方で,ドイツでは,国土の利用状況や都市計画制度が日本と大きく異なり,大都市への人口集中と都市域拡大が課題となっているものの,日本とは様相が異なることなどを議論した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
繰り越し理由としていたコロナ禍による海外渡航規制も緩和され,前年度の遅れを取り戻すことができた.本課題に関する論文1編が登載決定となり,進捗は計画通りである.
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今後の研究の推進方策 |
内生性を考慮した住宅費用,通勤時間の感度の統計的推計を進め,都市間人口移動シミュレーションと組み合わせた効用水準の動的変化の推計モデルを構築する.これに基づき,人口分布の望ましさ,および地方創生策等による国土政策による介入の必要性について研究を進める.
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