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2022 年度 実績報告書

大振幅の地盤の揺れと地盤変状を受ける杭-基礎梁の応答と耐震解析モデルの構築

研究課題

研究課題/領域番号 21H01477
研究機関福井工業大学

研究代表者

宮本 裕司  福井工業大学, 工学部, 教授 (50416856)

研究分担者 川辺 秀憲  大阪大学, 大学院工学研究科, 准教授 (00346066)
中野 尊治  大阪大学, 大学院工学研究科, 助教 (00805806)
西川 隼人  福井工業大学, 工学部, 教授 (60769371)
柏 尚稔  大阪大学, 大学院工学研究科, 准教授 (40550132)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード杭応答 / 断層変位 / 傾斜基盤 / 活断層地震 / 3D-FEM
研究実績の概要

本年度は、前年度において解析的に検討した逆断層変位を受ける杭基礎の地震被害発生メカニズムを検証するために、乾燥砂による模型地盤と模型杭杭基礎による逆断層変位の静的載荷実験を実施した。その結果、逆断層変位を受ける地盤において、下盤側では、断層変位発生位置からの距離によって地盤の水平および鉛直変位は異なり、断層変位発生位置に近いほど地盤変位が大きくなること、下盤側に杭が存在する場合、断層変位に伴う地盤変位の影響を受けて杭には応力が発生すること、基礎梁が存在する場合には、基礎梁の変位拘束効果が生じるため、断層変位発生位置から遠方の杭で合っても大きな曲げモーメントが発生することを明らかにした。解析検討では3次元弾塑性FEM解析により実験の解析を行った。
傾斜基盤をもつ杭応答の分析では、振動台実験結果の詳細な分析と実大モデルを用いた幾つかのケースの解析から、大変形時の杭周地盤抵抗のモデル化について検討を加えた。実大モデルの解析では、R3に構築した三次元FEMモデルを実大建物スケールに拡張し、傾斜基盤上に建設された群杭基礎建物の静的解析を行った。その結果、模型振動台実験で見られたのと同様に、傾斜基盤上の短い杭の水平地盤反力は、均質な地盤のそれに比べ小さくなる可能性があることを明らかにした。
福井地盤モデルを対象とした地震時地盤応答の評価では、過去の1948年福井地震での断層モデルを用いた地震動解析を3次元差分法を用いたハイブリッド法により行い、福井平野の地震動を計算した。
実地震時の断層地盤変位や被害構造物の計測方法の検討では、昨年度に引き続きドローン搭載のカメラ映像等から被害状況を計測する方法の高度化を進めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

断層変位生起装置による杭基礎の実験を行うことができ、杭応力の分析と3D-FEMによるシミュレーション解析を行うことができた。

今後の研究の推進方策

来年度は最終年度であり、断層変位や基盤傾斜地盤変位による杭応力の発生状況と3D-FEMによる解析結果を分析して、杭周地盤抵抗特性を明らかにする。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (9件)

  • [雑誌論文] 傾斜基盤上の砂地盤に建つ群杭支持建物の地震応答と非線形杭周地盤ばね2022

    • 著者名/発表者名
      中野尊治,宮本裕司
    • 雑誌名

      日本建築学会構造系論文集,Vol.87,No.795,pp.424-434

      巻: 87 ページ: 424 434

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Seismic Response and Nonlinear Characteristics of Pile-Soil Springs in Structures Supported by Pile Group in Granular Soil on Sloping Bedrock2022

    • 著者名/発表者名
      Nakano, T. and Miyamoto, Y.
    • 雑誌名

      Japan Architectural Review, Vol.6, Issue 1, e12314

      巻: 6 ページ: -

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] 北陸地方の地震観測点,震度観測点の震度増分評価2023

    • 著者名/発表者名
      西川隼人、宮本裕司、池本敏和、宮島昌克
    • 学会等名
      令和4年度土木学会中部支部研究発表会、講演番号I-06
  • [学会発表] 逆断層変位を受ける杭基礎建物のシミュレーション解析における杭周面摩擦力の影響2022

    • 著者名/発表者名
      松岡章吾, 秋月孝太, 柏尚稔, 中野尊治, 宮本裕司
    • 学会等名
      日本建築学会近畿支部研究発表会
  • [学会発表] 逆断層変位を受ける杭基礎の抵抗メカニズムの検討2022

    • 著者名/発表者名
      秋月孝太, 松岡章吾, 柏尚稔, 中野尊治, 宮本裕司
    • 学会等名
      日本建築学会近畿支部研究発表会
  • [学会発表] 逆断層変位を受ける杭基礎建物のシミュレーション解析における杭周面抵抗力の影響2022

    • 著者名/発表者名
      松岡章吾, 秋月孝太, 柏尚稔, 中野尊治, 宮本裕司
    • 学会等名
      日本建築学会学術講演梗概集
  • [学会発表] 逆断層変位を受ける杭基礎の抵抗メカニズムの検討2022

    • 著者名/発表者名
      秋月孝太, 松岡章吾, 柏尚稔, 中野尊治, 宮本裕司
    • 学会等名
      日本建築学会学術講演梗概集
  • [学会発表] 傾斜基盤上に建つ群杭支持構造物の地震応答と杭周地盤抵抗,(その1)模型振動台実験とそのシミュレーション解析,日本建築学会近畿支部研究報告集,構造系(62),pp.265-268,2022.6.2022

    • 著者名/発表者名
      岸なな衣,中野尊治,柏尚稔,宮本裕司
    • 学会等名
      日本建築学会近畿支部研究報告集,構造系(62),pp.265-268
  • [学会発表] 傾斜基盤上に建つ群杭支持構造物の地震応答と杭周地盤抵抗,(その2)三次元有限要素解析に基づく杭応力と杭周地盤抵抗の検討2022

    • 著者名/発表者名
      中野尊治,岸なな衣,柏尚稔,宮本裕司
    • 学会等名
      日本建築学会近畿支部研究報告集,構造系(62),pp.269-272
  • [学会発表] 傾斜基盤上に建つ群杭支持構造物の地震応答と杭周地盤抵抗(その1)模型振動台実験とそのシミュレーション解析2022

    • 著者名/発表者名
      中野尊治,岸なな衣,柏尚稔,宮本裕司
    • 学会等名
      日本建築学会大会学術講演梗概集,構造II,pp.415-416
  • [学会発表] 傾斜基盤上に建つ群杭支持構造物の地震応答と杭周地盤抵抗(その2)三次元有限要素解析に基づく杭応力と杭周地盤抵抗の検討2022

    • 著者名/発表者名
      岸なな衣,中野尊治,柏尚稔,宮本裕司
    • 学会等名
      日本建築学会大会学術講演梗概集,構造II,pp.417-418

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公開日: 2023-12-25  

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