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2021 年度 実績報告書

鉄筋コンクリート柱部材の材端部拘束による曲げ・せん断挙動への影響に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21H01482
研究機関神奈川大学

研究代表者

島崎 和司  神奈川大学, 工学部, 教授 (00343632)

研究分担者 白井 佑樹  神奈川大学, 工学部, 助教 (00779720)
佐藤 宏貴  神奈川大学, 公私立大学の部局等, 教務技術職員 (70648922)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード柱 / せん断耐力 / 曲げ耐力 / 端部境界条件
研究実績の概要

鉄筋コンクリート建物の地震時の安全性の評価において、せん断破壊防止と曲げ靭性の評価が重要である。そのため、過去より多くの実験がなされてきている。これまでの実験に用いられた試験体は、加力のために両端に強剛な加力用のスタッブを持ち、これを反力とする抵抗機構となっている。実際の建築部材である柱においては、反力相手は梁であり、柱断面より小さいので、実験で得られた抵抗機構ほどの有効断面があるとは考えられず、評価式が危険側になっている可能性が高い。実際の柱梁接合部を持つ実部材としての抵抗機構耐力を評価することで、実部材の耐力・靭性を再評価することが本研究の目的である。本研究では、せん断耐力におけるアーチ機構と、曲げ耐力に対する平面保持仮定に対する問題点を評価するため、両端にスタッブを付けたものと、両端にスタッブがなく加力が梁からとなる試験体を作成し、アーチ機構に有効な断面と平面保持仮定の成り立つ有効幅についての検討を行う。
令和3年度は、せん断耐力におけるアーチ機構と、曲げ耐力に対する平面保持仮定に対する問題点を把握するため、両端の梁幅が柱幅全幅のものと半分のもののせん断破壊型、曲げ破壊型試験体を作成し、アーチ機構に有効な断面と平面保持仮定の成り立つ有効幅についての検討を行う行なった。試験体は梁幅の違いと破壊モードの違いから計4通りとした。柱と梁の切断面の主筋はPL16に溶接し、コンクリート調合強度は24N/mm2とした。
せん断クラック耐力は、いずれの試験体も実験値は計算値の1.5倍程度となり、最大耐力は、いずれの試験体も実験値は計算値の修正荒川mean式の値に達していないが、修正荒川min式の値は超えている。梁幅が大きい方が曲げ破壊型の荷重は大きかったが、せん断破壊型では小さかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

令和3年度は、予算の関係で試験体数を減少させる必要があり、せん断耐力におけるアーチ機構と、曲げ耐力に対する平面保持仮定に対する問題点を把握するため、両端の梁幅が柱幅全幅のものと半分のもののせん断破壊型、曲げ破壊型試験体を作成し、アーチ機構に有効な断面と平面保持仮定の成り立つ有効幅についての検討を行う行う。表1に試験体一覧と試験時の材料強度を用いた算定耐力、実験結果の耐力・最大耐力時変形、図2に試験体形状を示す。試験体は梁幅の違いと破壊モードの違いから計4通りとした。柱と梁の切断面の主筋はPL16に溶接した。
予算が削減されたので、試験体個数が減少し当初の目標にたどり着けていなく、その面からやや遅れていると評価した。

今後の研究の推進方策

令和3年度の結果から、以下のことが明らかになった。
・梁幅によって、せん断耐力、曲げ耐力が変わる。
・曲げ変形成分は、梁幅内と外では大きく異なる。
・柱主筋の歪分布は、梁幅内にある主筋と梁幅外にある主筋とでは大きな差は見られなかったが、梁幅の外の柱主筋は定着部で付着割裂破壊を起こした。柱梁接合部の横補強筋は、柱部分より少ないことが多いので、この部分の定着部の付着の検討が必要である。
今年度は、試験体のパラメータを変えてせん断破壊型に注視し、せん断耐力の検討を深める予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 逆対称曲げを受ける柱の端部境界条件の違いによる耐力の評価 その1 概要2022

    • 著者名/発表者名
      島崎和司、白井佑樹
    • 学会等名
      日本建築学会
  • [学会発表] 逆対称曲げを受ける柱の端部境界条件の違いによる耐力の評価 その2 実験結果とその考察2022

    • 著者名/発表者名
      白井佑樹、島崎和司
    • 学会等名
      日本建築学会

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公開日: 2022-12-28  

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