研究課題/領域番号 |
21H01485
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
長野 克則 北海道大学, 工学研究院, 教授 (80208032)
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研究分担者 |
阪田 義隆 金沢大学, 地球社会基盤学系, 准教授 (10754236)
葛 隆生 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (60552411)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 熱供給 / 地中熱利用 / 地盤情報 / ヒートポンプ / 最適化 / CO2排出量 / BTES / 再生可能エネルギー |
研究実績の概要 |
本年度(~2023年3月31日)の実績は以下の通りである。 1) 石狩平野(札幌)、関東平野(東京)、大阪平野(大阪)のデータを抽出し、3次元確率補完法の一つであるインジケーター・クリギング法を適用し、平面分解能250mメッシュ、深さ1m毎で各深度の地質構成割合を示した深度3次元地質情報データベースを構築した。 2) Uチューブの片側にヒーターケーブルと光ファイバー温度計を挿入し、一定加温後に温度データから、各層毎の有効熱伝導率λeとBHEXの熱抵抗Rbを明らかにする方法論を開発した。 3) 5GDHCの計画・設計においては、地中への放熱・採熱のバランスを取り、熱源水ネットワークの温度変動を設計上下限値内に収める様に、大気放熱器、太陽熱集熱器や排熱の受け入れることが重要であり、無断熱の樹脂導管と周囲地盤との熱移動も考慮する必要がある。これを可能とする大規模BTESの設計・性能予測ツールの構築を進めた。 4)太陽光発電と蓄電池、冷暖房ヒートポンプや給湯ヒートポンプなどをもつ建物や施設の設備システムに対してCO2排出量が最小となる最適運転支援プログラムの作成を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1) 3次元地質情報データベースを構築している。 2) ボアホール型地中熱交換器内に挿入した発熱ヒーターケーブルと光ファイバー温度計を用いて、各層毎の有効熱伝導率λeとBHEXの熱抵抗Rbを明らかにした。地下水流れの推定にはより長期間の加熱による温度応答が必要である。 3) 5GDHCの計画・設計においては、地中への放熱・採熱のバランスを取り、熱源水ネットワークの温度変動を設計上下限値内に収める様に、大気放熱器、太陽熱集熱器や排熱の受け入れることが重要であり、無断熱の樹脂導管と周囲地盤との熱移動も考慮する必要がある。これを可能とする大規模BTESの設計・性能予測ツールの構築を進めている。 4)太陽光発電と蓄電池、冷暖房ヒートポンプや給湯ヒートポンプなどをもつ建物や施設の設備システムに対してCO2排出量が最小となる最適運転支援プログラムの作成を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
1) 新しい深井戸データベースを加えより精度を上げた3次元地質情報データベースに更新する 2) ボアホール型地中熱交換器内に挿入した発熱ヒーターケーブルと光ファイバー温度計を用いて地下水流れの推定を行っていく 3) 5GDHCの計画・設計においては、地中への放熱・採熱のバランスを取り、熱源水ネットワークの温度変動を設計上下限値内に収める様に、大気放熱器、太陽熱集熱器や排熱の受け入れることが重要であり、無断熱の樹脂導管と周囲地盤との熱移動も考慮する必要がある。これを可能とする大規模BTESの設計・性能予測ツールの構築を進める。 4)熱に加えヒートポンプ駆動するための再生可能エネルギーで発電した電力の供給を受けることも考え、AIを用いて気象予測システムを開発し、探索型最適化手法を用いて、再エネ電力利用を最大化しCO2排出量最小化になる建物や施設内の冷暖房・給湯ヒートポンプ、蓄電池充放電などの最適運転スケジュールを作成する運用システムを構築する。この最適運用計画システムを用いて、最適運用を行った場合に従来の運用に比べてどれだけ購入電力量やCO2排出量を削減できるのか、加えてピーク負荷削減効果や負荷平準化効果などを明らかにする。
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