研究課題/領域番号 |
21H01493
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研究機関 | 秋田県立大学 |
研究代表者 |
長谷川 兼一 秋田県立大学, システム科学技術学部, 教授 (50293494)
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研究分担者 |
三田村 輝章 前橋工科大学, 工学部, 准教授 (10406027)
鍵 直樹 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 教授 (20345383)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 乾燥感 / 室内環境 / シックハウス症状 / 暴露環境の評価 / ドライネスとダンプネス |
研究実績の概要 |
室内湿度の変化が心理反応や生理反応にどのような影響を及ぼすのか明らかにするため,被験者実験を行った。被験者は,非喫煙者の健康な19~22歳の男性6名,女性3名である。実験は秋田県立大学構内の空調試験室2室で行った。環境条件は,曝露されている温熱環境にも着目し,熱的中立条件として室温25℃,50%・20%,非熱的中立条件として室温22℃,50%・20%の4条件を設定した。 1)実験手順 被験者は試験室1(25℃,50%)に60分間滞在し,その後,試験室2に120分間滞在した。実験中,被験者はDVD鑑賞し,30分おきに主観申告,口腔内水分量,皮膚水分量,皮膚温度を測定した。また,実験時の服装を0.65cloで揃えた。 2)各条件における心理・生理反応の経時変化 心理・生理反応の条件間の差を比較するため,Friedman検定を行った。目の乾湿感は,曝露後90分で有意差が認められ,試験室2滞在時に非中立20%条件で乾燥感が申告されている。口腔内の乾湿感においても,曝露後60分,90分で有意差が認められ,非中立20%条件で乾燥感が強まり,実測調査と同様の結果が得られた。 口腔内水分量と頬の皮膚水分量は,試験室2滞在時に中立20%条件と非中立20%条件で低下する傾向が見られる。一方,被験者は口腔内の乾燥感を強くは申告していない。低湿度環境への曝露が長時間となる場合,居住者は口腔内の乾燥を知覚しないまま,口腔内が乾燥状態になってしまう可能性が懸念される。 指標の評価項目として「臭気感」が妥当かを確認するため,におい検査を実施した。実験の結果,低湿度環境では臭気強度が高くなる傾向が示された。しかしながら,本実験からは臭気強度と乾燥感との関係を見出すことはできず,今後の課題である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
被験者実験を実施するために使用予定であった空調試験室の機器入替の時期と実験実施時期とが重なってしまったため,実験実施を遅らせた。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画の通り,最終年度に因果構造モデルを構築する。
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