研究課題/領域番号 |
21H01499
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
岩田 司 東北大学, 災害科学国際研究所, 教授 (70356062)
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研究分担者 |
原田 栄二 東北大学, 工学研究科, 助教 (60282117)
内田 晃 北九州市立大学, 地域戦略研究所, 教授 (60438299)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 地域型復興住宅 / 地域住宅計画 / 地域型グリーンか事業 / 地域住宅生産 / 持続可能な住まい・まちづくり |
研究実績の概要 |
本年度は昨年度に引き続き災害の規模、種類に対応した地域の住文化を活用した地域型復興住宅あり方、その全国展開の可能性を検討するために、以下の調査、研究を行い、その分析を行った。 ①.昨年度の成果を活用し、東北3県(岩手、宮城、福島)の「地域型復興住宅推進協議会」に参加する生産者グループが活動する地域の、地域型復興住宅の仕様(プラン、規模、種類、価格、仕上等)、木材調達圏、住宅供給圏を含む生産体制をもとに、各グループが提案する地域型復興住宅を類型化した。 ②.東北3県(岩手、宮城、福島)における地域住宅計画策定市町村における「HOPE計画」の地域型住宅と地域型復興住宅の仕様(プラン、規模、種類、価格、仕上等)、木材調達圏、住宅供給圏を含む生産体制を比較し、東日本大震災前後での変化を調べた上で、各市町村が提案する地域型住宅、および地域型復興住宅をその変化点とともに分析、類型化した。 ③.東北3県の「地域型復興住宅推進協議会」に参加する事業者に対する国からの建設費補助のための「地域型住宅グリーン化事業」は災害地域のみならず全国で実施されている。地域型復興住宅の全国展開の可能性を検討するため、全国の「地域型住宅グリーン化事業」に参加する生産者グループが供給する住宅の仕様(プラン、規模、種類、価格、仕上等)、木材調達圏、住宅供給圏を含む生産体制をもとに、各グループが供給する住宅の類型化を行った。 ④.地域型復興住宅の全国展開の可能性を検討するために、昨年度の全国の「HOPE計画」の調査をもとに、地域住宅計画策定市町村における地域型住宅の仕様(プラン、規模、種類、価格、仕上等)、木材調達圏、住宅供給圏を含む生産体制を調査し、東日本大震災前後での変化を調べた上で、各市町村が提案する地域型住宅を類型化した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナウィルスの影響により、全国への出張がかなり困難であったため、アンケートに会わせて「HOPE計画」、「地域型復興住宅推進協議会」、「地域型住宅グリーン化事業」の成果報告書、各事業に基づいて建設された住宅等の図面を積極的に収集し、3DCG用の高性能コンピュータを購入し、一部3次元データベース化を行った。 併せてGoole Earthによる現地の周囲を含めた状況と、現場の3次元映像を確認することにより、結果として出張ができないことによる現地調査を補うことができた。さらにアンケート結果について、直接電話、メール等で確認することによる詳細調査を積極的に行い、今年度の調査、分析はほぼ予定通り実施することができた。 またこれらの結果に基づき現在審査付き論文を2本程度執筆中である。従って研究の進捗に関しては問題なく、概ね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに実施した、①.東北3県(岩手、宮城、福島)の「地域型復興住宅推進協議会」に参加する生産者グループによる地域型復興住宅の仕様(プラン、規模、種類、価格、仕上等)、実績(供給戸数、実際の価格など)、木材調達圏、住宅供給圏を含む生産体制による地域型復興住宅の類型、②.東北3県(岩手、宮城、福島)における地域住宅計画策定市町村における「HOPE計画」の地域型住宅と地域型復興住宅の仕様(プラン、規模、種類、価格、仕上等)、木材調達圏、住宅供給圏を含む生産体制および東日本大震災前後での変化に基づいた各市町村が提案する地域型住宅、および地域型復興住宅の類型、③.地域型復興住宅の全国展開の可能性を検討するための、全国の「地域型住宅グリーン化事業」に参加する生産者グループが供給する住宅の仕様(プラン、規模、種類、価格、仕上等)、木材調達圏、住宅供給圏を含む生産体制をもとにした、各グループが供給する住宅の類型、④.同じく地域型復興住宅の全国展開の可能性を検討するための、HOPE計画策定市町村における地域型住宅の仕様(プラン、規模、種類、価格、仕上等)、木材調達圏、住宅供給圏を含む生産体制をもとにした、各市町村が提案する地域型住宅の類型、⑤.地域型復興住宅の先駆けとなった長岡市山古志地区における「中山間地型復興住宅」をはじめ、以降の紀伊半島水害、熊本地震、九州北部水害等における地域型復興住宅の歴史的経緯に関する調査結果から、災害の規模、種類に対応した地域の住文化を活用した地域型復興住宅あり方と、その成立のキーポイント=成立の可能性を明らかにし、最終報告書を作成する。 なお一昨年度、昨年度の2年間はコロナ禍のため出張が制限されており、現地調査がほとんどできなかった。そのためこれまでの調査、解析で疑義が生じた場合には現地調査も含め、積極的に再調査を行いたい。
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