シュリーレン法と音響トリガ条件付抽出法,Computed Tomographyを組み合わせて,音響波の可視化動画を三次元的に再構成する手法の構築を行った.本年度は特に,条件付抽出におけるトリガ検出と音波の周方向相関長の評価基準の見直し,及び,音響波検出のためのマイク本数を12本から24本に増やすことによる周方向解像度の改善を行った.これにより,三次元再構成結果の質が大幅に改善したことが確認された.これに加えて,複数回に分けて撮影した動画をつなぎ合わせる手法を構築したことにより,ジェット近傍の音響波の初生の部分から遠方場に至るまでの広範囲にわたる可視化再構成が可能となった. この他,音響波の元となる流れ場の三次元計測のため,背景型シュリーレン(BOS)とComputed Tomographyを組み合わせた3D-BOS法の実験も昨年度に引き続き行った.3D-BOS法と周方向マイクアレイの同時計測により,音波を生み出す剪断層の大規模構造の特徴づけを進めた.またさらなる応用として,固体壁面にジェットが衝突するような場合についても,新たに構築した鏡面反射型3D-BOS法で衝撃波等の計測に成功し,音響波と相関を持つ変動を捉えた. 前年度までに2方向に一様な乱流チャネル流れで基礎的な性能を確認したHarmonic-Balance LES法をスパン方向にのみ一様な2次元翼流れに拡張し、さらに衝撃波を遷音速バフェットにも適用し、衝撃波を含む低ストローハル数非定常流れの計算コストを大幅に低減できる可能性を示した。
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