研究課題
二酸化炭素回収・貯留 (CCS) は、二酸化炭素 (CO2) の排出を大幅に削減する技術である。 CO2 を貯蔵する場所の1つは、キャップロック層の下の海底帯水層となる。しかし、このアプローチには、検出されていない断層や、放棄された井戸、大規模な地震等により、CO2が海に漏出する潜在的なリスクがある。したがって、海水中の二酸化炭素濃度を監視することが法的に義務付けられている。もし万が一海中から高いCO2濃度が検出された場合、海洋への漏出が起きたかどうかを判断することが重要となる。しかし、CO2濃度は主に生物活動により大きく変動する。そこで漏出判断のため、CO2関連濃度の海水データを使用して漏出を特定する合理的な方法を提供する必要がある。今日、機械学習 (ML) は、予測、分類、識別などのデータ分析に非常に有効なツールとなった。本研究は、海水中のCO2関連濃度の複数の指標に関する先行研究を参考にしつつ、新らたな手法を提案する。MLには、ロジスティック回帰とニューラルネットワークという2つの「教師あり学習法」を適用し、CO2関連濃度の線形相関指標の入力パラメーターを使用してMLモデルに学習させ、海水データを分類していく。海底からCO2を放出した館山沖でCO2関連濃度の現地測定を実施し、学習用の漏出(異常値)データを作成した。CO2漏出の影響を受けない海水(通常値)データも取得した。これらを用いて、学習したMLモデルを適用して、他の海のCO2関連濃度データを判断したところ、適切な結果を得ることができた。今後の課題として、学習用の漏出(異常値)データ数を増やし、より精度を高めることがあげられる。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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International Journal of Greenhouse Gas Control
巻: 133 ページ: 104108~104108
10.1016/j.ijggc.2024.104108