海へ負荷された難分解性有機疎遠物質に起きる物理・化学・生物学的過程をモデル化し、それらを統合化したシミュレーション手法を構築した。その部品となる海洋物理モデルを数値計算安定性と精度の面から改良した。さらに、魚個体が汚染物質を取り込み、蓄積し、排出する現象を確率論的にモデル化し、その妥当性を検証し満足できる結果を得た。魚以外のプランクトン類も変数として加え、沿岸域における食物連鎖の中での汚染物質の移動についてもシミュレーションし、ヒトが摂取する海洋生物体内における汚染物質濃度の確率分布を出力する手法を示した。
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