疲労亀裂発生位置近傍の局所的な弾塑性応答が溶接継手の疲労寿命に与える影響を評価することを目的として、SM490Aの母材と溶接継手の疲労亀裂発生位置近傍を狙った再現HAZ材を用いて疲労試験を行い、得られた弾塑性応答の実験結果を再現可能な繰返し材料応答シミュレーションと疲労亀裂発生および進展寿命評価式を提案した。続いて,これを非荷重伝達型十字溶接継手に適用し、疲労寿命評価と実験結果との比較を通じて考察を行った。これらより、巨視的弾性状態を含む弾塑性応答を高精度に再現可能な材料モデルを開発して、接合条件に依存する疲労亀裂発生・進展評価手法を低炭素鋼からなる溶接継手に適用できる ように拡張した。
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