舶用燃料電池は長時間の高負荷運転や急激な負荷変動に対応する出力特性が要求されるため,電解質膜のドライアップを防ぐと同時に,電極触媒層における過剰な生成水を速やかに排出してフラッディングを防ぐことが重要である.そこで本研究では撥水性マイクロポーラス層(MPL)の表面に薄い親水層を塗布した親水・撥水MPL付き拡散層を考案し,発電性能の向上策について検討した.その結果,親水・撥水MPLを適用すると,親水層の付与により耐ドライアップ性が向上する.さらに電極触媒層における排水性が高まり,クヌーセン拡散抵抗が低減するため,従来の撥水MPLと比較して耐フラッディング性が大幅に向上することを明らかにした.
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