研究課題/領域番号 |
21H01553
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研究機関 | 工学院大学 |
研究代表者 |
金野 祥久 工学院大学, 工学部, 教授 (60322070)
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研究分担者 |
北澤 大輔 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (30345128)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 氷海工学 / 耐氷船 / 流体力 / 氷荷重 |
研究実績の概要 |
本研究では北極海航行において船舶は開水面もある浮氷群中を航行すると想定し、この場合に氷片に作用する流体力の減衰モデルを構築しその精度を検証することを目的とする。 令和3年度は複数氷片が水面にある場合の数値解析を実施し、下流側氷片に作用する流体力を求めた。解析には汎用熱流体解析ソフトウェアSTAR-CCM+を用い、自由表面表現にはVOF法を用いた。その結果、氷片が1個あるいは2個の場合には、流体力が過去に行った水槽試験の結果とよく一致することが分かった。しかし複数の氷片が流れと垂直方向に2列に並んでいる場合の解析を実施したところ、その結果の傾向は過去の水槽試験と逆の傾向を示した。このときの流れの様相を観察したところ、1列目の氷片群を乗りこえて2列目の氷片に作用する波が観察されたため、この越流のような挙動が実験と異なることが、数値解析と実験とで傾向が異なる理由だと推測している。しかし詳細は不明で、令和4年度以降の課題として残されている。なお解析結果の一部を令和4年5月に開催される日本船舶海洋工学会春季講演会にて報告する予定である。 また東京大学生産技術研究所の小型曳航水槽を用いた予備実験を実施した。主として過去に行った実験を再現することを目的とし、氷片が1個および2個の場合の流体力測定を実施した。これにより過去の測定結果をおおよそ再現できることが確認された。ただし検力計のノイズが大きいため計測精度に問題があることが分かったため、専用の検力計を導入するとともに、計測装置を再検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた専用検力計の導入および計測装置の検討はおおよそ予定どおり実施できた。設計は終了していないが、令和4年度中に計測まで実施できると考えている。数値解析は2,3氷片までの解析を目標としたが10氷片程度までの解析を実施できた。ただし結果の信頼性にはまだ疑問がある。総合しておおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
ここまでおおむね順調であるため、令和4年度以降も当初計画通り進める方針である。研究代表者と研究分担者は令和3年度以上に密に連絡を取り合うことを確認している。
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