研究課題/領域番号 |
21H01565
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
西崎 一郎 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 教授 (80231504)
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研究分担者 |
林田 智弘 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 准教授 (20432685)
関崎 真也 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 助教 (70724897)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | サプライチェーン管理 / DEA生産問題 / フラクタイルモデル / 不確実性 / 多期間生産ゲーム / 電力システム / 進化型多目的計画法 |
研究実績の概要 |
先導者を配送業者,追従者を製造業者としたサプライチェーン管理に関する2レベル生産輸送計画問題を取り上げ,配送業者は製造業者の費用最小化生産計画のパラメータに関する情報を十分には把握できないが,製造業者の生産に関する入出力データは観測できると仮定したうえで,製造業者の生産計画問題をDEA生産問題として定式化し,その妥当性を検証している. 施設開設に関する決定を1段階目とし,不確実な需要が実現したあとの物流に関する決定を2段階目とする2段階サプライチェーンモデルを定式化し,確率変数となる利益を最大化する.このようなサプライチェーンの混乱に対処するための意思決定問題に対して,管理者のリスク態度を考慮した意思決定をするために,フラクタイルモデルによる定式化を提案している. 複数の企業が資源を共有する多期間線形生産問題において,所有資源の不確実性を考慮した協力ゲームを考え,プレイヤーのリスクに対する態度を考慮したフラクタイルモデルを導入することを検討している. 進化型多目的計画法において,実行可能個体と実行不可能個体両方の情報を用いることで,パレートフロントへの収束を改善することを目指し,さらに僅かな制約違反によって目的値が大きく改善する場合,実行可能領域付近の実行不可能解の情報を利用することを考えている. 災害時において再生可能エネルギーや蓄電池を主体とした電源を用いて需要家へ電力供給を継続するためには,需要家による電源への投資が重要になる.協力ゲームに基づき,配電系統内の需要家による安定的な協力によって投資への原資を確保し,激甚災害時における安定な電力供給を実現する最適化手法を提案することを考えている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
サプライチェーン管理に関する2レベル生産輸送計画問題に関しては,単一期間を対象とした問題を定式化し,論文としてまとめ,European Journal of Operational Researchに採録された.今後,この問題を多期間モデルに展開していく予定である. サプライチェーンの混乱に関する研究では,不確実な需要に対して,管理者のリスクに対する態度を考慮したフラクタイルモデルを採用し,論文としてまとめ,システム制御情報学会誌に受理された. 不確実性下の多期間線形生産ゲームに関する研究は,最も基本的な定式化ができた状況であり,さらなる検討が必要な状態である. 進化型多目的計画法の研究では,配電系統は配電系統再構成問題に適用し,電圧上下限制約や電流上限制約といった厳しい制約を有する配電系統再構成問題に対し,実行可能解を効率的に発見するとともに,制約逸脱量と目的値間のトレードオフに関する情報を与える仕組みを考案中である. 配電系統内の電力供給継続を目的とした協調的電力供給システムに関しては,協力ゲームに基づき,配電系統内の需要家に適切な利得や費用の分担ができるような仕組みを考案しており,その妥当性は検証したので,国内の学会での口頭発表を計画している.
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今後の研究の推進方策 |
サプライチェーン管理に関する2レベル生産輸送計画問題に関しては,今後,この問題を多期間モデルに展開していく予定である. サプライチェーンの混乱に関する研究では,施設の事故や災害に起因する混乱に対処すると同時に,利益の最大化を図るために,これらの2目的間のトレードオフ分析を試みる. 不確実性下の多期間線形生産ゲームに関する研究は,緒についたばかりでこれから定式化の吟味や数値例による検証を進める. 進化型多目的計画法の研究では,今後,現実の配電系統は配電系統再構成問題に適用することを試み,その結果を国際会議で発表する予定である. 協調的電力供給システムに関しては,国内の学会での口頭発表を計画している.
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