研究課題
基盤研究(B)
本研究では,大型商用風車のブレードとナセル内部に歪ゲージを設置し,これらの計測データに基づいて,「地形性乱流」および「回転性乱流」と「風車振動(風車の疲労荷重)」との相関性を明確化する実証研究を実施した.また同時に,本研究で対象とした風車周辺の地形データを詳細に再現した後,CFDによる数値風況シミュレーションも実施した.3次元の複雑な気流構造を視覚化するとともに,風車ブレードおよびナセル内部機器に与える乱流影響に関する評価指標の策定を試みた.
風力エネルギー工学
本研究開発で得られた種々の知見を複雑な山間部に風車を建設する際,さらには風車建設後の維持・管理(メンテナンスシステム)に効率的に反映されれば,風車の重大故障を未然に防ぎ,かつ風車あるいはウィンドファームの最適な運用に繋がることは確実である.さらに本研究で得られた一連の知見は,現在注目を集めている大型洋上風力発電へも即座に適用可能である.具体的には,複数の風車の設置間隔などを適切に決定する際に非常に有用となる.また,上記の陸上風力と同様,建設後の維持・管理にも適用可能である.