研究課題/領域番号 |
21H01579
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研究機関 | 常葉大学 |
研究代表者 |
田中 聡 常葉大学, 大学院・環境防災研究科, 教授 (90273523)
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研究分担者 |
重川 希志依 常葉大学, 社会環境学部, 名誉教授 (10329576)
松岡 昌志 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 教授 (80242311)
鱒沢 曜 明星大学, 建築学部, 准教授 (90533141)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 深層学習 / インスタンス・セグメンテーション / 建物被害判定 / スマート・インスペクション |
研究実績の概要 |
本研究では、建物被害評価に深層学習技術を取り入れ、自動化を実現しようとするものである。昨年度は対象とカメラの距離感を統一した写真を選別し、より詳細に損傷箇所を特定するために、解析技術をインスタンス・セグメンテーションに変更した。しかし、程度が異なる損傷が繋がっている場合、どこまでを一つの損傷とするか判断がばらつくことがあり、一定の判別精度向上は見られたものの、十分な精度には至らなかった。 そこで本年度は、まず実際の自治体調査員は損傷の範囲と程度をどのように認識・判断しているのかをあきらかにするために、自治体職員を対象に各自100枚の写真の損傷程度を判定してもらい、結果を分析した。その結果、インスタンス・セグメンテーションで細かく指定した損傷を複数統合した範囲を一つの損傷として判断していることが明らかになった。そこで、解析技術を物体検出に変更し、教師データ作成では、一つながりの損傷をまとめて一つのバウンディング・ボックスで囲う方針とした。 物体検出における外壁の判定結果は、mAP50が0.53となり、インスタンス・セグメンテーションと比較すると大きく精度が向上した。一方自治体職員の損傷判断のばらつきには、正解の損傷程度にピークがあるタイプの他に、±1の損傷程度に均等に分布するタイプなど、損傷の状況によっていくつかのタイプに分かれることが明らかになった。この原因は、枠内の最大損傷程度をその代表値とするか、最大面積の損傷程度をその代表値とするかによって判断が分かれることが考えられる。そこで判断がばらつく損傷状況の事例をまとめ、被害認定調査の研修用資料を作成した。 最後に2024年1月に発生した能登半島地震において現地調査をおこない、新たな建物被害写真を入手するとともに、これまで開発したモデルをスマート・インスペクションシステムに登載し、その有効性を検討した。
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現在までの達成度 (段落) |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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