研究課題/領域番号 |
21H01601
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研究機関 | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
研究代表者 |
別府 万寿博 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), システム工学群, 教授 (90532797)
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研究分担者 |
岩切 宗利 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), 電気情報学群, 准教授 (00535362)
松崎 裕 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), システム工学群, 准教授 (10506504)
甲賀 誠 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), 応用科学群, 教授 (30545976)
市野 宏嘉 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), システム工学群, 准教授 (70760982)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 爆発作用 / 構造安全性 / リスク評価 / RC部材 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、爆破テロや都市での大規模爆発を受ける構造物の破壊挙動を解明し、耐爆リスク評価法を確立することである。このため、都市での大規模爆発における複雑な爆風圧伝播挙動を解明する。また、近接爆発を受けるRC部材の破壊を評価する方法を提案する。さらに、爆破テロや都市での大規模爆発に対する構造物や都市のリスク評価法を構築する。 本年度は、構造物や都市モデルの爆風圧伝播に関する実験および鉄筋コンクリートはりの近接爆発実験結果の分析を行った。都市部において大規模爆発が発生する場合、ビルや住宅によって爆風圧は複雑に伝播する。また、近接爆発では非均一な爆風圧が構造物に作用する。そこで、爆風圧に関する実験では、Composition C-4爆薬を用いて、爆薬量や離隔距離を変化させた実験を行った。特に、箱型構造物に対しては前壁、頂版、側壁、後壁に圧力センサーを設置して爆風圧を計測し、詳細な分析を行った。実験に対する数値解析を行って、爆風圧の反射や干渉を再現できることを確認した。特に、爆風圧の回折が各壁の圧力特性に大きな影響を与えることがわかった。 RC部材の耐爆性については、昨年度行った爆発実験結果に対して、局部的な損傷とせん断補強筋間隔の影響などを分析した。過去に行われた爆発実験データを収集して、爆発条件とRC部材の損傷の関係を分析した。その結果、部材中央部に集中して圧力が載荷されると局部的な損傷が発生しやすいことがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の内容は、都市モデルを伝播する爆風圧特性の評価、近接爆発を受けるRC部材の耐爆性の評価、大規模爆発を受ける都市の脆弱性評価、に区分される。昨年度はRC部材の爆発実験がやや遅れていたが、今年度は実験結果を詳細に分析し、ある程度の研究成果を得た。また、爆風圧特性についても実験および解析は予定通りの成果を上げることができたため、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、引き続き、都市モデルを伝播する爆風圧特性の評価として、入射爆風圧の大きさ(爆薬量や離隔距離の組合せ)、爆発位置および構造物の配置や大きさが都市モデルを通過する爆風圧に与える影響について、実験および数値解析により検討を進める。 近接爆発を受けるRC部材の耐爆性の評価については、昨年度作製を行った軸力を考慮したRCはりに対する近接爆発実験を行う。軸力の大きさおよびせん断補強筋間隔がRCはりの耐爆性に与える影響を実験的に確認するとともに、数値解析によってそのメカニズムを考察する。 大規模爆発を受ける都市の脆弱性評価については、爆発作用を受ける都市および構造物のフラジリティを算定し、都市を構成する構造物の強度や分布に応じて脆弱性を評価するシステムの概念を構築する。
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