本研究では,TiO2(110)基板に担持した白金ナノ粒子の高温における劣化機構を明らかにするため,白金ナノ粒子の3次元構造および原子ダイナミクスの解析を行った.独自に開発を行った高速電子顕微鏡法を用いることにより,40ミリ秒の時間分解能でTiO2基板上の白金3量体を追跡した.第一原理計算との併用により,投影2次元像から白金3量体の3次元構造再生に成功した.得られた3次元構造から,白金3量体は正三角形を保持しつつ,3次元回転と並進によりTiO2基板上を運動することが分かった.また,白金はチタンを避け,酸素との結合・切断を繰り返しながら選択的な経路を運動していることも明らかとなった.
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