研究課題/領域番号 |
21H01616
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
白石 貴久 熊本大学, 先進マグネシウム国際研究センター, 准教授 (50758399)
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研究分担者 |
木口 賢紀 熊本大学, 先進マグネシウム国際研究センター, 教授 (70311660)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ドメイン構造 / その場測定 / (K,Na)NbO3基膜 |
研究実績の概要 |
当該年度では、作製した(K,Na,Li)(Nb,Ta)O3膜に対して温度と電界を変化させた際の構造変化を調査することで、電気特性に対するドメインの寄与を調査した。 電界を印加したX線その場観察を実施することで、3種類のドメインに起因した回折ピークが変化していることを観測した。特に、分極軸が電界印加方向に向いているドメインにおいて大きなピークシフトが観測された。しかし、鉛系圧電体膜で報告されている各ドメインの体積分率変化は明瞭に観測されなかった。熱処理により自己分極状態を解消すると、電界印加に対する回折ピーク位置や面積強度の変化も異なっており、既往研究で報告されている電界印加によるドメインスイッチングが観測された。これより、低温合成による自己分極状態が印加電界に対するドメインの動きに影響していると考えられる。さらに、ラマン分光による電界印加測定を試みたが、優位は変化を観測することはできなかった。 自己分極した(K,Na)NbO3膜に対して温度を変えながら電気特性を測定した。その結果、レイリー則に従った変化をしており、分極状態によってその変化が異なることが分かった。 以上の結果より、トレードオフの関係を脱するには、ドメイン構造の制御、特に分極状態を創り出すことが重要であると分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度までの研究において、圧電定数と誘電定数の間に存在するトレードオフの関係を破るために、結晶構造解析と電気特性測定の両面からアプローチしており、得られた結果から材料設計指針となり得る知見を得た。また、特別な状態を圧電材料内で実現するために必要な要素については、合成プロセスの観点から知見を得ており、当初の計画を概ね満たす進捗状況であると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
次年度では、これまで取り組んできた(K,Na,Li)(Nb,Ta)O3系以外の圧電材料にて、同様のトレードオフの破れが実現可能であるか検討する。そこで、代表的な圧電材料であるPb(Zr,Ti)O3膜を水熱法により低温成膜し、その結晶構造と電気特性を明らかにする。
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