研究課題
本研究の目標である『次世代産業用超広帯域LED』を実現させるため、本年度は、昨年度までの結果を踏まえ、デバイス化プロセスの高度化に取り組んだ。【1】「高量子効率蛍光体の発光特性評価」:本研究で用いている高量子効率蛍光体の長期安定発光について、本研究開始直後から365nmUVLEDの光励起による発光強度測定を継続してきた。先日、2.7万時間を経過したが、初期強度の92%を維持しており、仮に2状態間の単純遷移を想定するならば、用いた蛍光体の半減期は約22.4万時間(約25.6年)と推定され、極めて安定な実用特性が得られる可能性を確認した。【2】「ガラス科学の深化とそれに基づく耐UV/高透明性バインダの新規開発」:昨年度開発された低温溶融性のリン酸ガラス(ガラス転移温度:200℃以下の低融点ガラス)を基に、組成およびプロセス条件を検討した。その結果、気泡の発生を抑えることができるプロセスとヒビ割れを抑えるための界面処理と緩衝層の導入などを考案し、ヘイズが10%以下の透明薄膜マトリクスの調製法を確立した。さらに、当該ガラス薄膜に蛍光体粉末を静電吸着させた上で、再度200~250℃アニールを行い、蛍光体粉末とマトリクスの一体化を達成した。【3】「近赤外蛍光体のさらなる長波長化と量子効率向上を目指した材料探索」:高倍率対物レンズを通じたレーザー照射により、単粒子蛍光体(数十μmサイズ)に850 W/mm2以上(現時点での実用レベルの約30倍)のパワー密度を実現する特殊な顕微セットアップを構築の上、蛍光体の輝度飽和現象の観測とメカニズム究明に取り組んだ。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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