研究課題/領域番号 |
21H01633
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
金井 俊光 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (10442948)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | コロイドアモルファス / マイクロ流体デバイス |
研究実績の概要 |
1.マイクロ流体デバイスを用いた球状コロイドアモルファスの一段階連続合成法の開発 微細加工機を用いて基板上に流路を形成し、上蓋を接着することにより、二相流を形成できるマイクロ流体デバイスを作製した。流入口および流出口の形状や、流路幅、流路深さ、流路長さの検討を行い、デバイス内で反応が進行する適切なデバイスを作製することができた。単分散水ガラス液滴形成用のガラスキャピラリー型マイクロ流体デバイスを組み合わせることにより、二相流形成デバイス内で連続的に球状シリカ粒子を作製できた。高速度カメラを接続した光学顕微鏡下で流動実験を行うことにより、球状シリカ粒子の形成過程の撮影に成功した。また、各液体流量を調整することにより、得られるシリカ粒子の大きさを調整することができた。得られた粒子のSEM観察より、1μm以下の一次粒子が集合した構造であることを確認した。
2.市販の単分散粒子を用いた新規球状コロイドアモルファスの作製 光学ストップバンド波長を紫外線の最長波長である400 nmに合わせるため、粒径150~170 nmの市販の単分散シリカ粒子(屈折率: 1.45)、PMMA粒子(屈折率: 1.52)、PS粒子(屈折率: 1.59)を用いた作製実験を行った。マイクロ流体デバイスを用いて単分散な水分散液滴を形成させ、ホットプレートにより液滴中の水分を急速に蒸発させることにより、球状コロイドアモルファスの作製を行った。各液体流量、加熱温度などの作製条件を調整することにより、デバイス内で水分を蒸発させ、単分散粒子の集積体である球状粒子の作製に成功した。現在スペクトル測定などによりアモルファス構造であるか、解析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記のように、マイクロ流体デバイスを作製し、粒径1μm以下の一次粒子からなる球状シリカ粒子を連続的に合成できており、おおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
マイクロ流体デバイスを用いた球状コロイドアモルファスの一段階連続合成法の開発においては、今回作製したデバイスを用いて、特に水ガラス濃度をパラメータとして実験を行い、球状シリカ粒子の作製条件の検討を行う。本予算で購入した電子顕微鏡を用いて粒径(二次粒径)と一次粒径を測定し、これらの制御範囲を明らかにする。特に紫外線遮蔽剤への応用に向けて、粒径は50μm以下、一次粒径は約160 nmにする必要があり、連続相の流量や流路径の検討も行う。さらに、撮影に成功したシリカ粒子の形成過程の画像を解析し、形成メカニズムを明らかにする。市販の単分散粒子を用いた球状コロイドアモルファスの作製においては、PMMA粒子やPS粒子を用いて引き続き作製実験を行う。スペクトル測定や電子顕微鏡観察などによりアモルファス構造の確認を行う。
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