研究実績の概要 |
市販の単分散粒子を用いた球状コロイドアモルファスの作製研究において、粒径160 nmの単分散PMMA粒子をエラストマー前駆体であるHBAに分散させ、脱塩処理することによりコロイド結晶が得られ、その後の紫外線照射によりPMMM粒子からなるコロイド結晶をエラストマー内に固定できることを見出している。本年度は、HBA分散液中のPMMA粒子からなるコロイド結晶にイオン液体である1,3‐ジアリルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを添加することにより、コロイドアモルファスと思われる状態に転移させることができた。このコロイド分散液を、連続相となるシリコーンオイルとともにマイクロ流体デバイス内に流入させることにより分散液液滴が生成され、紫外線照射によりPMMA粒子を内包したエラストマー粒子が作製できた。反射スペクトル測定より、この粒子は紫外線の最長波長である約400 nmにブロードな反射ピークを示すことが確認でき、紫外線遮蔽剤への応用の可能性が示唆された。 マイクロ流体デバイスを用いた球状コロイドアモルファスの一段階連続合成法の開発研究において、水ガラス濃度を1Mから6Mまで大きく変えて合成することを試みた。水ガラス濃度が小さい場合、シリカ一次粒子が液滴界面に生成し反応時間ととも成長、融着して、中空シリカ粒子が得られることがわかった。水ガラス濃度を増加させると、シリカ一次粒子が集合した粒子が得られ、さらに水ガラス濃度を増加させると、シリカ中実粒子が得られることがわかった。
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