複合材中のフィラー選択配置場所は混合自由エネルギーを低下させるべく混合系が高次構造を選択する共通の熱力学的考え方で整理できると考えられる。但し、架橋(ゲル化)を伴うネットワークポリマーアロイゆえに熱力学的平衡状態に至る前にフィラーの移動が凍結され、速度論因子が重要となる。アルキル基表面処理等の分子性の強いフィラーの場合、ネットワークポリマーアロイ中の存在場所についてハンセン溶解度パラメータによる説明が可能であった。一方、未表面処理無機フィラーでは酸塩基相互作用の考慮が必要であった。さらに、表面処理無機フィラーの相界面配列について混合エントロピー項の寄与が大きいと考察した。
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