本研究では、高温でも安定して性能を発現可能な芳香族系プロトン伝導性高分子に関する研究を実施した。親水部は主にスルホン酸化フェニレンに焦点を絞り、様々な疎水部構造を検討した。特に、これまでの課題であった乏しい柔軟性(すなわち小さい破断伸び)の改善に焦点を絞り、その向上を目指した。 その結果、オクタフルオロビフェニレン基を主鎖の一部に有するSPP-6P8Fが高いプロトン導電率を有するだけでなく、高い機械強度を有することを確認し、オクタフルオロビフェニレン基をスルホン酸化ポリフェニレン主鎖の一部に導入するアプローチは、薄膜強度の向上に効果的である可能性が示唆された。
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