研究課題
基盤研究(B)
次世代の超耐熱構造材料として有望な遷移金属シリサイド基一方向凝固(DS)共晶材料において,遷移金属元素を複数の元素で同時に多量置換した際に見られる特異な強化現象の発現機構の解明を目的とした基礎研究を行った.その結果,これまで十分に解明されていなかったDS共晶材料を構成する各種遷移金属シリサイド相の塑性変形機構を明らかにするとともに,複合多量置換を行った合金系において均質微細な共晶組織を得るのに適した結晶育成条件に関する基礎的知見を得た.
結晶物性
本研究は次世代の超耐熱構造材料の候補である共晶一方向凝固材料の優れた力学特性の起源を明らかにすることを目的としたもので,新規な解析手法を駆使することにより各種遷移金属シリサイド相の塑性変形機構と力学特性を解明するとともに,優れた力学特性発現に不可欠な合金設計ならびに組織制御に関する基礎的知見を得たことが学術的意義が髙い.また得られた成果をもとに新規超耐熱材料が開発につながれば,様々な熱機関の熱効率の向上と,その結果としての温室効果ガスの排出削減に寄与することが期待されるため社会的意義も高い.