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2021 年度 実績報告書

オペランド観測による高速プロトン伝導性酸化物を用いたCO2還元反応場の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21H01654
研究機関九州大学

研究代表者

兵頭 潤次  九州大学, 稲盛フロンティア研究センター, 特任助教 (70736149)

研究分担者 山崎 仁丈  九州大学, 稲盛フロンティア研究センター, 教授 (30292246)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードオペランド赤外吸収分光法 / プロトン伝導性酸化物 / 二酸化炭素還元
研究実績の概要

本研究の目的は、BaZr0.4Sc0.6O3-δ電解質と金属電極で構成される界面を対象に、プロトン伝導性酸化物を用いたCO2還元反応場へ赤外吸収分光法、電気化学計測、ガス質量分析を同時に計測するオペランド観測法を適用し、メタン生成に関与する活性中間体の同定、反応経路、およびメタン生成反応の電流効率を明らかにすることである。
本年度は、CO2還元反応膜型反応器を評価する電気化学システムを導入した。また、現有設備である赤外吸収分光装置を実際の電気化学的二酸化炭素還元条件において観測可能にする装置構成へと組み換えた。これら2つの装置について、従来型電解質を用いたアノード支持型プロトン伝導性燃料電池セルを用いて動作確認し、両装置ともに良好に動作することを確認した。
また、当初の計画通り、電解質支持型CO2還元反応器を用い電気化学的CO2還元特性を評価した。、その結果、600℃以下の温度域においては、掃引できるプロトン電流密度が低く、ファラデー効率を計測するのに十分なガス生成速度が得られないこと明らかとなった。そのため、当初の計画を一部変更し、BaZr0.4Sc0.6O3-δ電解質を薄膜化し抵抗値を低減した電極支持型電解セルの合成プロセスを開発した。その結果、緻密な電解質薄膜を得る焼結プロセスを見出した。開発したセルを用いてCO2還元特性を評価することで、ファラデー効率は低いもののCO2還元によるCOおよびCH4が生成されることを確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

一部測定対象セルの構成に計画変更があり、膜型反応器合成に関して想定より時間を要したものの、装置導入およびCO2還元評価の実証は当初の計画通り進捗しているため、上記評価とした。

今後の研究の推進方策

昨年度開発したBaZr0.4Sc0.6O3-δ電解質薄膜セルを対象とし、赤外吸収分光法によるCO2還元動作化における反応中間体評価に注力して研究を進める。電圧印加ON、OFF条件における中間体生成熱力学およびダイナミクス評価とガス生成速度を同時計測し、反応に寄与する中間体を特定する。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2022 2021

すべて 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件)

  • [学会発表] 面内圧縮ひずみを導入したイットリウム添加ジルコン酸バリウム薄膜におけるプロトン拡散2022

    • 著者名/発表者名
      兵頭潤次、山崎仁丈
    • 学会等名
      電気化学会第89回大会
  • [学会発表] イットリウム添加ジルコン酸バリウム薄膜に導入した面内圧縮ひずみが プロトン伝導性に及ぼす影響2021

    • 著者名/発表者名
      兵頭潤次、山崎仁丈
    • 学会等名
      M&M2021 材料力学カンファレンス
    • 招待講演
  • [学会発表] 水和実験データおよび物理化学的知見を組み込んだ機械学習モデル構築による 新規プロトン伝導性酸化物の加速的開発2021

    • 著者名/発表者名
      兵頭潤次、辻川皓太、志賀元紀、奥山勇治、山崎仁丈
    • 学会等名
      2021年電気化学秋季大会
  • [学会発表] 実験データと機械学習を活用した 新規プロトン伝導性酸化物の加速的探索2021

    • 著者名/発表者名
      兵頭潤次
    • 学会等名
      第79回固体イオニクス研究会
    • 招待講演
  • [学会発表] 高濃度Sc添加ジルコン酸バリウムにおけるプロトン拡散係数のキャリア濃度依存性2021

    • 著者名/発表者名
      兵頭潤次、山崎仁丈
    • 学会等名
      第47回固体イオニクス討論会
  • [学会発表] High Proton Conductivity and Chemical Stability in Heavily Scandium-Doped Barium Zirconate (HSBZ)2021

    • 著者名/発表者名
      Junji Hyodo, Koki Kitabayashi, Kenta Hoshino, Yuji Okuyama, Yoshihiro Yamazaki
    • 学会等名
      Solid State Proton Conductors (SSPC-20)
    • 国際学会

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公開日: 2022-12-28  

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