研究課題
基盤研究(B)
従来使用していたWO3薄膜よりも、Mn・Ru・Tiの酸化物薄膜の水素応答性が高いことを見出し、電気化学的水素透過法と同等の水素応答性を有する、金属材料へ侵入した水素のリアルタイムマッピングシステムを開発した。特に、MnO2薄膜を使用した際の水素応答性や視認性が最も高く、TiO2薄膜を用いることで可逆性が高くなることを明らかにした。本水素可視化法を利用して、高強度鋼の腐食に伴い鋼中へ侵入した水素の分布の経時変化を捉えることに成功した。
材料電気化学、腐食防食学
水素ステーションには、水素脆化による材料の破壊が起こる前に鋼材への水素の侵入を把握することができるリアルタイムモニタリング技術が不可欠であり、安全な水素ステーションの普及を通じて水素社会の実現に貢献する。また、腐食によって高強度鋼へ侵入する水素量や、優先水素侵入サイトを今後明らかにしていくことで、耐水素脆性を有する高強度鋼の開発や、高強度鋼の適用可能条件を正しく把握することができる。高強度鋼の使用の拡大は、例として自動車の燃費向上につながるため、自動車の環境負荷の低減に貢献する。