研究課題
昨年度に提案した低異方性を示すMg-Ca-Mn合金押出材の機械的性質や微細組織に及ぼす合金元素添加量および均質化処理条件の影響を調べた。カルシウム添加量を増やし、マンガン添加量を低減することで、高強度化に有効であることがわかった。また、均質化処理後に徐冷を行い、あらかじめ析出物を形成させておくと、押出加工時の動的再結晶が促進され、均一な再結晶組織が得られることがわかった。また、動的再結晶により、(0001)面//押出方向となる集合組織形成も促進され、引張耐力の向上に有効である一方で、圧縮耐力との差異が増大し、異方性も増大することがわかった。また、アルミニウム濃度の高い合金として、Mg-3Al-0.4MnおよびMg-3Al-0.8Ca-0.4Mn合金を設計し、押出材の機械的性質や微細組織に及ぼす均質化処理の影響を調べた。ユニークな現象として、押出加工前に一般的に実施される均質化処理を省くことで、押出材の結晶粒径を微細化でき、機械的性質が改善することを見出した。本手法(均質化処理レス押出加工)により作製した上記合金の機械的性質や微細組織に及ぼす押出速度の影響を調べた。Mg-3Al-0.4Mn合金では、押出速度が大きくなると、顕著な結晶粒の粗大化が生じ、機械的性質が低下した。特に圧縮耐力の低下が大きく、異方性が増大した。一方で、カルシウムを含むMg-3Al-0.8Ca-0.4Mn合金では、押出速度を大きくしても結晶粒は粗大化せず、機械的性質の劣化も無かった。これは、熱的に安定なAl2Ca相が、粒界ピン止めに有効に働いたからと考えられる。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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