既存の押出用マグネシウム合金は、成形加工性と強度特性を両立しないことが実用化の妨げとなっていた。例えば、生産性を高めることを目的として、押出加工を高速化すると、結晶粒が顕著に粗大化し、構造部材として必要な強度特性を担保することができなかった。特に、圧縮耐力の低下は顕著であり、強度異方性の改善も必須とされていた。本研究では、高速押出加工後でも、極めて優れた強度特性を維持する材料開発に成功した。その強度―延性バランスは、既存の高速押出用・中強度6N01や7N01合金に匹敵することから、本研究成果は、マグネシウム合金を利用した輸送機器の軽量化に重要な役割を果たすことが期待される。
|