研究課題
本研究では,不均一組織制御を施した高強度Mg合金展伸材の腐食および応力腐食割れ(SCC)挙動の本質的解明を目指すとともに、耐SCC合金設計指針を確立することを目的とする。目的達成のために、まずはMg-Al、Mg-Zn、Mg-REといったMgにおける主要添加元素との固溶体型合金を対象とした研究を基礎としつつ、α-Mg母相がアノードサイトとなる二相合金等を研究対象として、Mg合金の静的腐食挙動を電気化学的不均一性の観点から系統的に解明する。その後、研究対象を二相合金の展伸材へ拡大し、塑性加工によって導入される幾何学的不均一性が腐食およびSCC挙動に及ぼす影響を解明する。最終的には、合金成分および化合物相形成に由来する腐食の抑制に寄与する電気化学的パラメータおよびSCC抑制に寄与する幾何学的パラメータを明らかにし、マルチモーダル微細組織制御による耐SCC合金設計指針を得る。2023年度は、前年度に引き続き、Mg-Al二元系合金(Mg-3 wt%Al、Mg-6Al、Mg-9Al、Mg-12Al、Mg-15Al)とLPSO相を有するMg-2 at%Y-1 at%Zn合金を対象として研究を実施し、それらの腐食挙動を調査した。また、新たにMg-0.6 at%Y-0.2 at%Zn希薄合金にAlを添加した新規組成開発を行った。結果として、(1)α/β二相型Mg-Al二元系鋳造合金においては、α相中のAl濃度やβ相の被覆率が耐食性に及ぼす影響について調査したところ、β相の被覆率の増加による第二相バリア効果が耐食性向上に有効であることがわかった。(2)α/LPSO二相型Mg-Y-Zn合金および擬単相型希薄Mg-Y-Zn合金の押出材においては、Al添加により不働態化能が高まりアノード反応を抑制しうること、YとZnの添加量を低減することでカソード反応を抑制しうることを確認した。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 5件) 備考 (2件) 産業財産権 (1件)
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