スカンジウムは電気自動車の構造材料などに用いられるアルミニウム合金の特性を飛躍的に向上させるが、商業的に利用可能な濃縮された鉱床が存在せず、資源供給がほとんどなかった。しかし、近年、ニッケル(Ni)製錬の技術革新によって酸化スカンジウムが副産物として大量に供給可能となり、スカンジウムの資源供給ポテンシャルが急増した。本研究では、酸化スカンジウムを始原料としたアルミニウム母合金の大量生産・高速度製造に適したマグネシウム熱還元法を開発した。Al-Mg-Sc合金を低コストで供給することで輸送機器の劇的な軽量化に寄与し、二酸化炭素発生の大幅な低減に資すると期待される。
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