各種電池デバイスにおいて多孔質層が用いられているが、その湿式製造プロセスにおいて、多くの外的要因に左右されるため、その緻密な構造制御に未だ至っていない。この解決のために本研究者は電位印可による気泡発生を考え、気泡発生および輸送挙動と多孔質構造の相関を実験により明らかにし、また固体高分子形燃料電池を対象に、その有効性を検証した。さらにモデル構造を用いた数値計算による検証も行った。その結果、気泡鋳型を用いた多孔構造制御は電池デバイスにおける物質輸送性向上に有効であることが示唆された。これまで均一多孔質体が有効と論じられてきた本分野で重要な知見を与えるものである。
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