近年、微小プラスチックによる生態系への悪影響が問題視されている。さらに、微小プラスチックは化学物質を吸着させやすい性質をもつため、水環境中における微小プラスチックと有害化学物質による複合汚染として懸念されている。本研究では、微小プラスチックのモデル粒子を合成した上で、フローサイトメーターや各種顕微鏡法などを駆使して、微生物に対するナノ粒子と界面活性剤の複合毒性およびそれに及ぼす曝露環境(イオン強度、温度)の影響を明らかにした。このような本研究は「いわゆる毒性学的な研究」とは一線を画し、界面コロイド科学および細胞生物学に立脚する「分野横断的な基礎研究」であり、高い学術的・社会的意義を有している。
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