研究課題/領域番号 |
21H01706
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
外輪 健一郎 京都大学, 工学研究科, 教授 (00336009)
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研究分担者 |
永木 愛一郎 北海道大学, 理学研究院, 教授 (80452275)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | セグメント流 / マイクロ流路 |
研究実績の概要 |
マイクロ流路内においては、混相流は多様な流動パターンを示すが、その中でもセグメント流はマイクロ流路の応用において広く活用されている。セグメント流における各セグメント長さは、相間物質移動速度に大きく影響するが、その長さを調節するには各相の流量を変化させる必要がある。このため、線速度や処理速度が一定の条件のもとでセグメント長さを任意に調節することは困難であった。この問題に対して、本研究では高速に開閉可能なバルブを活用してセグメント長さを調節できる技術の開発に取り組んだ。同様の研究は液液セグメント流に関するものは過去にもみられる。本研究では、気体の圧縮性によりセグメント長さの調節がより困難な気液セグメント流に注目して検討を行った。実験においては、バルブを気体の供給ラインにとりつけ、生成するセグメント流の写真からその長さを測定した。バルブの開閉の周波数を6Hzから高くしていくと、14Hzまではセグメント長さが次第に短くなった。周波数が15-22Hzの範囲では長さが一定にならず、さらに22Hz以上に周波数を高くすると短いセグメントが安定して得られることが明らかとなった。気液流量比の影響について調査したところ、開発した装置では、安定なセグメント流を形成できる気液流量比は0.7-1.2の範囲であった。周波数と流量にたいするセグメント長さの変化を表現するモデルの構築も行った。その結果、周波数が14Hz以下では、セグメント長さは物質収支から計算される値とほぼ等しいことが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実験機器の納品が遅れたため、2021年度内に実施する予定の検討の終了が2022年度になった。しかし、全体の研究計画の遅延は小さく、研究の進捗は順調であると言える。
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今後の研究の推進方策 |
流量一定の条件のもとでセグメント長さを調節できる技術が開発できた。相間物質移動速度はセグメント長さと流量の双方が影響すると考えられる。従来はセグメント長さを変化させるために流量を変化させる必要があったので、これらの影響を独立に検討することは困難であった。そこで、開発した技術を使ってこれらの影響を独立した実験によって明らかにする。さらに流量一定条件のもとで、セグメント長さが反応挙動に及ぼす影響について明らかにしていく予定である。
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