昨年度までに、Auナノ粒子を導入したアニオン交換樹脂(Au-AER)による、水中NO3-の二段階除去分解を達成している。しかし、Au-AERの調製条件やAu-AERに取り込んだNO3-の分解条件を詳細に検討しても、取り込んだNO3-の40%程度しか分解できていない。この問題を解決するために、Auナノ粒子の上にアニオン交換サイトを作り、アニオン交換サイトがAuサイトに近接する材料の開発を試みた 具体的には、プロピルチオール基を有する4級アンモニウム塩(メルカプトプロピルトリメチルアンモニウム)を合成し、Al2O3上に固定したAuナノ粒子(Au/Al2O3)の表面と反応させた。メルカプトプロピルトリメチルアンモニウムは多段階で合成し、構造を1H NMR等で確認した。Au/Al2O3はHAuCl4を原料に用いて、含浸法で調製した。Au/Al2O3とメルカプトプロピルトリメチルアンモニウムとの反応は、溶媒中で室温で行った。 予想通り得られた材料はイオン交換反応によって水中のNO3-を効率的に取り込んだ。NO3-を取り込んだ材料を、80℃、1気圧のH2と接触させたところ、NO3-が分解されることを確認した。Au/Al2O3へのメルカプトプロピルトリメチルアンモニウムの導入量、NO3-分解条件の最適化を継続して検討している。
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