酸化物担持Au触媒はエステルのC-O結合ボリル化に高い活性を示す。この金ナノ粒子触媒に対して周辺の酸塩基点が及ぼす影響を解析したところ、エステルがAuナノ粒子に,ボロン酸エステルが担体上のルイス酸点によってそれぞれ活性化されることで反応が効率的に進行することを明らかにした。一方、Auナノ粒子をSiO2に担持した触媒では、SiO2表面の弱い塩基性と、Auナノ粒子のソフトルイス酸性の協働によって、ヒドロシランからシリルカチオンが発生することで芳香族C-H結合のシリル化が効率的に進行した。このように本研究により担持金ナノ粒子―他元素の協働触媒作用が最大限に発現される触媒に対する設計指針が得られた。
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