研究課題
非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)は、進行すると肝硬変などの重篤な状態に至り、最終的な治療法として生体肝移植を行うしかないという深刻な問題を抱えている。現時点でNAFLDを治療できれば、移植の必要性を回避できるが、効果的な治療薬は未だに存在しない。この複雑性は、NAFLDが腸や肝臓を含む複数の臓器の相互作用に関連しているため、その起因となるメカニズムの全貌が明らかでないことにある。このため、生体外でのシンプルなNAFLDモデルの開発が緊急に求められている。この課題に対応するため、我々の研究チームはNAFLDの発症及び悪化に深く関わる肝臓と腸の相互作用に焦点を当てた。ヒト多能性幹細胞を用いて作製した肝臓と小腸のオルガノイドを搭載した多組織チップを開発し、NAFLDを再現することに成功した。また、NAFLDが発症し悪化する過程を時系列で解析できるように、各臓器の機能をリアルタイムで測定できるセンサーを取り付けた。最終的には、遺伝子解析や代謝物測定といった多角的なアプローチにより、NAFLDの発症から重篤化するまでのプロセスを解明し、これらの知見がNAFLDの理解を深める上で大きな貢献をしている。これらの研究を踏まえ、将来的にはNAFLDの予防や治療法の開発に結びつけていくことを目指している。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 4件、 招待講演 3件)
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