研究課題/領域番号 |
21H01731
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中野 道彦 九州大学, システム情報科学研究院, 准教授 (00447856)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 核酸増幅検査 / DNA / 誘電泳動 / バイオセンサー / 迅速検査 |
研究実績の概要 |
核酸増幅検査における増幅DNAの目視判定法において、検出の特異性を高めるために、DNAハイブリダイゼーションを用いて微粒子と増幅DNAとを結合させる方法を試みた。タグ配列を付与したプライマーを用い、そのタグ配列と相補的なプローブDNAを微粒子に結合した。植物病原菌を検出対象に用いてその有用性を検討したところ、タグ付与プライマーで増幅した場合にのみ微粒子の凝集が見られ、ハイブリダイゼーションによる検出が有効であることが示された。また、核酸増幅検査を迅速かつ簡便に行うための、自動化装置を設計、実装した。これによって、検出感度がおよそ9倍高くなった。 基板調製法や接触角測定法について準備が完了した。今後は、これらを用いて懸濁液条件に伴うDNAの親水性、疎水性の変化を調査する。目視判定手法について、プローブ法の有用性を確かめるためにマルチプレックス診断への応用を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
核酸増幅検査における増幅DNAの目視判定法では、増幅時にビオチン修飾したプライマーを用いて、ビオチン修飾されたDNAを増幅し、ストレプトアビジン修飾した微粒子にビオチン-アビジン結合を介して、微粒子に増幅DNAを結合している。DNA増幅では、しばしば目的DNA以外の非特異DNAが増幅されることがある。これまでの増幅DNAにビオチンを修飾する方法では、非特異DNAにもビオチン修飾される可能性が高い。そこで、増幅DNA検出の特異性を高めるために、微粒子と増幅DNAとをDNAハイブリダイゼーションを用いて結合させる方法を試みた。その方法として、DNA増幅に用いるプライマーにタグ配列を付与し、そのタグ配列と相補的なプローブDNAを微粒子に結合した。植物病原菌を検出対象に用いて、特異的検出ができるかどうかを試みたところ、タグなしプライマーでは微粒子の凝集が見られず、タグ付与プライマーで増幅した場合に微粒子の凝集が見られ、ハイブリダイゼーションによる検出が有効であることが示された。 核酸増幅検査を迅速かつ簡便に行うための、自動化装置を設計、実装した。等温DNA増幅法を採用して、37℃で増幅反応を行う。溶液操作やインピーダンス計測などをLabVIEWプログラムで自動制御した。これによって、検出感度がおよそ9倍高くなった。
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今後の研究の推進方策 |
基板調製法や接触角測定法について準備が完了したので、これらを用いて懸濁液条件に伴うDNAの親水性、疎水性の変化を調査する。目視判定手法について、プローブ法の有用性を確かめるためにマルチプレックス診断への応用を行う。
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