研究課題
テラヘルツ(THz)~赤外光の光子エネルギーは、様々な低・中・高分子の振動や分子間相互作用、水素結合や固体結晶中電子や格子の振動に対応する重要な領域であるため、THz・赤外計測はこれらを探求する強力なツールとしての期待が高い。ところが、光の中では波長が非常に長いため、画像化計測の空間分解能が光の波長程度に制限される回折限界の問題が顕在化する。そのため、サブ波長領域のTHz・赤外物性研究は未成熟の新規開拓分野となっている。さらに計測の対象となる物質・分子科学の点からは、近年、材料やデバイスの幾何学的な性質が物性や機能に大きく関係することが見出されており、3次元空間での軸選択的な分析が求められている。本研究は、赤外・THz光の分布を、サブ波長分解能、周波数可変、かつ方向選択的にイメージングする技術を実現し、特徴的な階層的トポロジーを持つ物質へ適用することを目的とする。今年度は、サブ波長領域へ光を集める構造体を作製し、電磁界シミュレーションの結果に合致した周波数応答特性を観測した。この構造体では、表面パターンに応じて光の自由度を制御することが可能である。
2: おおむね順調に進展している
構造によって光の自由度を制御することが、当初の大きな目標の1つであったが、それを達成したため、翌年度の物性研究応用に向けて着実に進んでいる。
応用研究では微弱光の測定が予想されるため、測定系の安定性について測定システム全体から見直す。
すべて 2023 2022
すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 4件、 招待講演 8件)
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