研究課題
本研究は、研究代表者が世界に先駆けて独自に発表した「動く」ことで機能する「DNAオリガミ分子機械」を本体部として使用して、人工抗体を開発することを目的とした。さらにこの分子機械の構造変化を超解像イメージング法でリアルタイム観察することにより、生体分子を一分子レベルで検出することができる超高感度検出法を開発することをめざした。二年目までに、機能性分子の導入が比較的容易なDNA PliersおよびDNA Nanostickに対して「1. 基質を特異的に認識するリガンド」としてFabの導入を行った。また、「2. 基質の結合にともなうDNAオリガミ分子機械の構造変化を可視化するためのシグナル発信部位」として、DNAオリガミ分子機械の構造変化をきっかけに、発光タンパク質からの生物発光共鳴エネルギー移動をスイッチングする機構を開発している。最終年度には、「1. 基質を特異的に認識するリガンド」のDNAオリガミ構造体への導入効率をより向上するためのプロセスを確立した。具体的には、導入するFabとDNAオリガミ構造体のためのステープル鎖との結合反応を行った後に、Fabに含まれるHis6タグを用いて磁気ビーズによる精製を行うことで、未反応のステープル鎖を除去する手法を採用した。これにより、ターゲットを結合して構造変化したDNA Pliersの明瞭な可視化に成功した。「2. 基質の結合にともなうDNAオリガミ分子機械の構造変化を可視化するためのシグナル発信部位」としては、蛍光色素の特異的な修飾に加えて、DNAに対する蛍光染色剤をメディエーターとして活用することにより、さらに効率の良い波長変調と、システムの多色化を実現した。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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IEEE Transactions on Molecular, Biological, and Multi-Scale Communications
巻: 9 ページ: 354-363
10.1109/TMBMC.2023.3304243
https://wps.itc.kansai-u.ac.jp/mol-mach/