研究課題
基盤研究(B)
電気化学的なプロトン脱挿入といった固体プロトニクスを基軸として、遷移金属酸化物の電気伝導性や磁性などの物性の制御の開発やその背景物理の解明に取り組んだ。プロトン注入が、酸化物薄膜の磁気異方性方性や電気伝導性の不揮発かつ可逆的な電界制御に有用であることを見出した。また、電気化学的なプロトン注入によって固体中への水素蓄積を促進するには、酸素欠損の規則配列化の安定化によって副反応の抑制することや、電解質と酸化物との界面におけるプロトン蓄積の制御が重要となることも見出した。
薄膜材料科学
本課題は、電気化学的なプロトン注入は、酸化物を中心として無機固体材料における電気伝導性や磁性などの物性制御法としての有用性を示すものである。一方で、固体材料に対して効率的にプロトン蓄積を実現するには、酸化物の場合には酸素欠損の規則配列の形成による副反応を抑制など、固体中の構造特性の制御が重要となることも明らかになった。本課題で得られた知見は、水素インサーション材料やイオニクスデバイスの設計や開発において重要な指針をもたらす。