高速FMコムライダーの評価実験を行った。1点目は上側と下側光サンドバンドの周波数掃引量の非対称性を変えた時の標準偏差への影響を評価した。実験的にはマイクロコム発生に使用するDFBレーザーの周波数掃引量を変化させる。結果として、標準偏差は非対称さに線形に増加するのではなく、ある非対称さを起点として非線形に増大していくことが分かった。これは、非対称さを増大させるにつれ、片側のサイドバンドからの信号の信号雑音比(SN)が悪化し、標準偏差がSNリミットに到達したと考えられる。2点目に戻り光のパワーに対する標準偏差依存性を調査した。戻り光が1 nW以上の時は特に標準偏差の悪化は見られず、1 nW以下では指数関数的に標準偏差が悪化することが分かった。これも1 nW以下では標準偏差がSNリミットに到達したと考えられる。 もう1つ明らかにしたことは非対称周波数掃引にすることで、上側と下側のサイドバンドからのLiDAR信号がターゲットが動いている時に干渉しうる状況になり、信号強度が低下することを明らかにした。これにより、ターゲットの速度に応じて、今回提案した手法の周波数掃引レートや非対称性を選択する必要があることを示唆する。
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