太陽電池や発光材料といった光電変換材料を対象に、その励起子拡散ダイナミクスを直接的に観測、さらに光を用いて制御する方法論の開拓と原理検証を目的として、研究を推進した。多重励起光パルスを照射可能な超高速イメージングを構築し、励起子拡散の実空間計測を試みた。その結果、系の空間不均一性を反映して試料内の位置により拡散挙動が変化すること、また一方向に励起子が伝播していくなど異方的な拡散挙動が存在することを見出した。さらに、初期励起子密度に依存して励起子拡散係数が変化する様子が確認され、これは励起子消滅過程を用いて拡散挙動を変調できることを示している。
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