紫外~近赤外領域のサブ10フェムト秒パルス光源を新たに構築し,これをベースに励起状態の振動モード間の相関を観る2次元ラマン分光装置,極限的時間分解能を有するポンプ・プローブ分光装置を開発し,その応用を推進した.励起子分裂を起こす典型系であるTIPS-pentaceneの2次元ラマン分光においては,単純な調和振動子に基づいたモデルでは説明できない,励起状態振動モード間のカップリングの存在が示唆されるなど,本研究を通じて電子励起状態に関して従来法では得られない新たな知見を得るための技術的基盤を構築することに成功した.
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