研究成果の概要 |
チオフェンを縮環部位にもつペンタレンおよび1,4-ジアザペンタレンの分子間相互作用について解析した結果,積層芳香族性を発現するような面心積層構造の形成は認められなかったものの,交換反発の軽減により密な積層構造の形成が可能であることを見出した。また,一連の新奇反芳香族化合物の合成過程において,ベンゾチオフェン-S,S-ジオキシド縮環ペンタレンが0価ニッケルと安定な錯体を形成することを見出した。 さらに,ペンタフルバレンを部分構造とする拡張π電子系の設計により,フラーレンC60に比肩する高い電子親和性と多電子還元に対する安定性を平坦な一次元共役系でも獲得できることを明らかにした。
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