有機化学において、5員環や6員環は形成容易であるが、より大きな中員環炭素骨格の構築は困難であり、新手法の開発が求められている。本研究は、独自の中員環構築法を開発し、その有用性を天然物の全合成において実証しようとするものである。 その成果として、ヘプタトリエニルアニオンの電子環状反応による7員環構築法を開発し、7員環と5員環からなる天然物6,11-epoxyisodaucaneの全合成を達成した。また、軟体サンゴから単離されたテルペノイドCristaxenicin Aについて、炭素9員環を含む主骨格の構築に成功した。
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