研究実績の概要 |
想定している課題のうち、課題2-課題4の検討を行った。 【課題2】「末端アルキンと内部アルキン、求核剤とのカップリング反応の開発」 三成分のカップリング反応を選択性良く行える触媒系を開発することができた。内部アルキンに代えてアルケンを用いる反応やアルコールを求核剤として用いる反応も合わせて検討を行ったが、この反応系では目的のカップリング反応は進行しなかった。また、三成分カップリング反応の最終検討中に除去が困難な副生成物が生成してしまったため、反応条件の再検討を行うこととした。 【課題3】「1,n-ジインと求核剤との反応による環状エナミンの合成法の開発」 分子内に2種類のアルキンを配置した1,n-ジインを用いた反応により環状ジエナミン骨格を持つ化合物の合成を合成することができた。この反応系を、両方のアルキン部位が末端アルキンであるジインへと展開することでジアミノカルベン種を発生させ、これらカルベン同士のカップリング反応を進行させることにより環状構造を持つエンジアミン類を簡便に合成する手法の開発を目指して検討を行ったが、現段階では目的の環状エンジアミンの合成には至っていない。 【課題4】「末端アルキン、1,n-ジイン、求核剤との反応によるシクロペンタジエン類合成法の開発」 発生させたアミノカルベン錯体を内部ジインで捕捉することで二環式構造を持つシクロペンタジエニルアミン類の合成法を目指して検討を行ったが、ジインのみでの反応が進行するにとどまっている。メタラシクロペンタジエン型中間体の生成を効率的に進行させるための因子の探索と、この中間体と分子間でアルキンが反応する過程を効率的に進行させるための反応条件の探索が必要となった。さらに、分子間でアルキンとの反応がを進行させるためのアルキンの構造についての知見を集積する必要があると判断した。
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