研究課題/領域番号 |
21H01996
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
芹澤 武 東京工業大学, 物質理工学院, 教授 (30284904)
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研究分担者 |
澤田 敏樹 東京工業大学, 物質理工学院, 准教授 (20581078)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | セルロース / 酵素合成 / 自己集合 / 汎用性高分子材料 / 結晶性集合体 |
研究実績の概要 |
「汎用性高分子材料に対するセロオリゴ糖集合体の複合化と特性解析」を実施した。セルロースを主成分とする濾紙や、様々な汎用性高分子(ビニロン、ポリエステル、ポリオレフィンなど)からなる不織布などの多孔質材料に対するセロオリゴ糖集合体の複合化と特性解析を実施した。多孔質材料を構成する高分子繊維表面への複合化に関する基礎知見として、複合化量、複合化した集合体の形態や結晶構造、複合化の均一性、複合化後の安定性などに及ぼすセロオリゴ糖や多孔質材料の化学構造や親・疎水性の影響について明らかにした。例えば、化学修飾されていないセロオリゴ糖からなる集合体の複合化と同様の条件で、片末端に機能基をもつ、特性が異なる様々なセロオリゴ糖を複合化できることを見出した。また、疎水性が高く水が浸透しにくい多孔質材料の場合には、適当量の水混和性有機溶媒をセロオリゴ糖溶液に添加することにより、効果的に複合化できることを見出した。この際、有機溶媒を添加しない場合には複合化したセロオリゴ糖集合体は繊維状形態を有するのに対し、有機溶媒を添加するとフィルム状形態になる場合があった。さらに、溶液内での均一核生成による多孔質材料の空隙への複合化と、不均一核生成による高分子繊維表面への複合化を決めるセロオリゴ糖の特徴を見出した。これらにより、多孔質材料に対してセロオリゴ糖集合体を効率よく、安定かつ均一に複合化するための条件を見出すとともに、複合化を制御するための指針を得た。このように、汎用性の多孔質材料に対するセロオリゴ糖あるいはその片末端誘導体からなる結晶性集合体の複合化手法を確立した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
セルロースを主成分とする濾紙や、様々な汎用性高分子(ビニロン、ポリエステル、ポリオレフィンなど)からなる不織布などの多孔質材料に対するセロオリゴ糖集合体の複合化と特性解析に成功した。これにより、多孔質材料とセロオリゴ糖集合体との複合化を制御するための指針を得るとともに、多孔質材料に対するセロオリゴ糖あるいはその片末端誘導体からなる結晶性集合体の複合化手法を確立した。多孔質材料やセロオリゴ糖の組合せの拡充は不可欠であるが、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
セロオリゴ糖集合体を多孔質材料と複合化する際に重要となる、材料表面における不均一核生成の促進について、セロオリゴ糖あるいはその誘導体の化学構造の影響や、均一核生成によるバルク水溶液中での析出速度の違いに注視して研究を推進する。また、複合化したセロオリゴ糖集合体の形態が複合化条件によって変化する可能性を見出しているため、集合体の形態への影響にも注視して研究を推進する。
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